どんどん話すための瞬間英作文トレーニングの効果的な使い方 シリーズはどこまでやればいい?

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こんにちは、Eたろうです。

この記事で紹介する教材は『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』です。

2006年の発行から、ベストセラーとなっており、カラフルなネコの表紙を書店で見かけたことのある方も多いことでしょう。

本記事は、その中でスタート地点となる1冊『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(全面青にネコの表紙)をベースに記述します。

「瞬間英作文」とは、中学レベルの簡単な例文を使って、「日本語→英語」に変換するトレーニングです。

大切なのは、「わかっている」を「できる」にすること。

過去きちんと文法を学んだ方であれば、各パートの例文を見て、「これは簡単すぎないか」と思うかもしれません。

ただ、実際に「日本語→英語」に変換しようとすると、上級者であれ”即”変換するのには苦労します。

本書でのトレーニングを大量にこなすことで、「見て理解できる英語」を「実践で使える英語」に変えていきましょう。

このブログで紹介する教材は、私が自分の担当する受講生さんに実際に使っていただいているものばかりです。

実際に使ってわかった「教材の特徴」や「こんな人に向いている」というリアルな情報をお伝えします。

この記事では、「書籍とアプリでどちらがオススメか」「青や緑や赤、ビジネス版…いろいろあるけど、瞬間英作文シリーズはどこまで進めればいいのか」といった、よく受講生さんからいただく声を含めて解説をいたします。

この記事を読むことで、教材の概要や使い方を理解し、正しく最短な方法で学習を進めていくことができるようになるでしょう。

目次

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』基本情報

出版社ベレ出版
著者森沢 洋介
発行日2006年10月25日
総ページ数205ページ
学習科目スピーキング
難易度初級者〜(中学文法を理解した方)
音声取得方法CDorアプリ(有料で音声ダウンロードあり)
※アプリをオススメします。

教材の構成

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング|森沢 洋介

書籍版の場合、前半の30ページ程度を使って、「 1.瞬間英作文トレーニングとは」「2.瞬間英作文トレーニングの行い方」という括りで、本書の使い方について長めの説明が入っています。

こちらは読み飛ばさずにきちんと読んでおくことをオススメします。

アプリ版の場合は、「使い方」というページが用意されているので、そちらをご確認ください。

トレーニングの構成はシンプルです。

書籍版であれば、左ページに日本語訳、右ページに英語が並んでいます。
アプリ版であれば、日本語訳がずらっと並んでいて、それをタップすると英語が表示されます。

各トレーニング、10個ずつの例文で構成

「日本語を見て英語に訳す」というトレーニングに集中できるように、文法の解説は下部に「ワンポイントアドバイス」として少しだけ載っている程度です。

Part1(中学1年レベル)→Part2(中学2年レベル)→Part3(中学3年レベル)と少しずつ文法が高度になっていき、各Partそれぞれ、23個、34個、22個のトレーニングが収録されています。

Eたろう

「文法は理解した学習者」を対象としていることが見てとれますね。
自分にあったPartから取り組んでみるのも吉です。

瞬間英作文とは

瞬間英作文の図解

瞬間英作文とは、中学で習う程度の文型で簡単な英文をスピーディーに、大量に声に出して作る というトレーニングです。

それぞれの文法項目でたくさんのトレーニングをすることで、頭の中に「英文法回路」を構築するのが狙いです。

大切なのが、「英文法回路」を構築することが狙いであって、フレーズを丸暗記する学習ではないという点です。

極端な例ですが、「これは良い本です=This is a good book」と”丸暗記”したとすると、「良い本を誰かに紹介する」という場面でしかこのフレーズは使えません。
そうではなくて、Thisを使ってあらゆる場面に応用できる英文法能力を養うのが狙いなのです。

Eたろう

This is a good bag、 This bread is very delicious、 Is this your cat?・・・This を使って自由に英文を使えるようになるのが大切です。
一部を変えながら練習してみましょう!

教材の特徴

①語彙が簡単なので、文法を練習することに集中できる。

本書を開いて各例文を読んでみると、中学校レベルの単語ばかりが使われており、「簡単だな」という印象を持つ方が多いでしょう。

本書で重要視されているのが、「スピードと量」です。
複雑な例文では、一つを理解するのに無駄に時間がかかってしまい、「スピードと量」を確保できませんよね。

まずは馬鹿らしいくらい簡単に感じる例文を使って、短い時間で多くの例文に触れることが大切なのです。

Eたろう

例えば、「Who is」という文法事項を学習するとします。

「Who is」という文法事項を学習する場合

①この女の子は誰ですか? → Who is this girl?
②現在の日本の法務大臣は誰ですか? → Who is Japan’s current Minister of Justice?

①であれば、「Who is」だけに集中して英作文ができます。
一方、②の場合は、「現在の?」「法務大臣??」と「Who is」を学習するにはいらない疑問が湧いてきて効率が悪いのです。

②の学習は、①のような例文を使って、たくさんのトレーニングを積んで「Who is」を使いこなせるようになってから取り組むべき課題です。

本書がこれだけ売れているのも、「例文が簡単で挫折しにくい」というのがひとつの理由のように感じます。

②日本語が「直訳」なのが使いやすい

本書のフレーズは教科書チックで、日本語訳は、直訳に近いかたちになっています。

賛否両論があり、「日本語が堅苦しい。こんな教科書みたいな例文いつ使うんだよ」という声も聞きます。

実際、瞬間英作文と似たようなテーマの教材で、もっとカジュアルな例文や日本語訳を採用したものも存在します。

私としては、この直訳こそが、『瞬間英作文』の良いところだと感じます。

本書での日本語の役割は、引き金の役目なので英文を引き出しやすい直訳風の日本語にしてあります。英語の発想法に近づけ、限られた時間で一つでも多くの文を作るための特別な技法と考えてください。

■著者が答える瞬間英作文 Q&Aより

という説明のとおり、「引き金」としての日本語訳は、直訳の方が使い勝手が良いと感じます。

オススメの使い方

①「この文法項目をどう会話で使えるか」という意識でセンテンスを暗記する。

『瞬間英作文』の狙いは、「わかっている」を「できる」にすることであり、各文法項目を会話で正しく瞬時に使いこなせるようになることにあります。

Eたろう

例文を”そのまま”覚えて、それをそのまま会話で使うことを意図しているわけではないのです。

助動詞の”can”をテーマにしたトレーニングの中にある以下のセンテンス。

私はピアノとバイオリンが弾けます。:I can play the piano and the violin.

これをこのまま使える人がどれだけいるでしょう。

うん、バイオリンとか触ったこともありません。。

このトレーニングの目的は、ピアノをトランペットに、バイオリンをギターに変えても、canを使って文章を構成できるようになることにあります。

会話において、自然にcanが使えるようになるための練習材料として存在するのが、本書の例文なのです。

練習材料でしかないからこそ、本書の日本語訳は固い直訳になっていて、その文法項目の用法を連想しやすいように設定されているのだと思います。

②アプリ版を購入する

私が担当する受講生さんには、特別な希望がない限りアプリ版の購入をお願いしています。

アプリ版の良いところは以下3点です。

  • 移動時間などに気軽に取り組める

瞬間英作文は「いかに数をこなすか」が大切です。隙間時間にサクッと取り組める状態にしておきましょう。

料理しながら、満員電車に揺られながら・・・こんな時に書籍版だと不便なのは想像しやすいですね。

  • 学習回数と最終学習日が記録される

瞬間英作文で大切なのは「量とスピード」でした。
アプリ版の場合、以下のように学習回数と最終学習日を表示してくれます。

瞬間英作文アプリ画面


これによって、
・自分がどれだけの回数復習をしたのか
・このトレーニングはどれくらいの期間学習ができていないのか

を把握することができます。

取り組まれている方の元々のレベルによるのですが、初級者であれば、最低20回は復習を繰り返していただきたいです。

そのくらい繰り返してやっと、口が馴染んでくる感覚があるはずです。

Eたろう

私が担当する受講生さんの中には、70回以上取り組んでいただいている方もいます。20回はあくまで最低ライン!
下記で紹介する自動再生機能の「早い」がクリアできるレベルには仕上げてから完了としましょう。

  • 自動再生機能がある

アプリ版の「自動再生」は、瞬間英作文トレーニングにおいて量とともに大切な、スピードを養うのにもってこいの機能です。

自動再生をONにすると、以下の順番で音声が流れます。

音声ポーズ間に回答するためには、否が応でもスピードを意識しなければなりませんよね。

ちなみに書籍版の音源でも「日本語→英語」の音声は収録されています。

アプリ版の良いところは、「ポーズ時間」を簡単に変えられるところにあります。

Eたろう

「ゆっくり、ややゆっくり、ふつう、やや早い、早い、超速、なし」 と7段階に調整することができます!

慣れないうちは「ゆっくり」で練習をして、最終的には「超速」(少なくとも「早い」)のクリアを目指しましょう。

その速度で言えて初めて、実戦で使える文法力と言えます。

書籍版で学習するメリット

上記で、アプリの良いところばかりを紹介してきましたが、もちろん書籍版にも良いところがあります。

一番は、「書き込みできるところ」でしょう。

書き込みの例

例文:あなたは毎日ミルクをどれだけ飲みますか?( How much milk do you drink every day?)

「ミルクよりもビールの方が自分はよく使うな」と思ったのであれば、
「How much beer do you drink every day?」と自分で作った文章を書き込む。

瞬間英作文においては、「この文法項目をどう会話で使えるか」という意識が大切と、前述しました。

自作の例文ほど、この意識を高めてくれるセンテンスはありません。

Eたろう

書籍版はパッと取ってすぐに学習できるのも魅力です。アプリ版と違って、スマホゲームの誘惑もありません。よく座るソファの横に置いておくだけで、学習量の確保に貢献してくれるでしょう。

結論!アプリ版&書籍版、両方あると最高。

これは無理しなくてもOKですが、アプリ&書籍の二刀流状態にできると最高です。

前述した、アプリ&書籍それぞれの良いところを享受できるのはもちろん、生活に合わせて使い分けることができるのが良いところです。

例えば、
日中:アプリ版を利用
寝る前:書籍版を利用

のように、時間帯で使用媒体を使い分けるのがオススメ。

これは睡眠の質を確保するための工夫です。


寝る前にスマホを使いすぎると、寝つきが悪くなりますよね。
ただ、寝る前というのは暗記のゴールデンタイムであり、できることなら瞬間英作文に取り組んでおきたいところです。

そんなとき、目にやさしい書籍版が手元にあると睡眠を阻害せずに学習に取り組むことができるのです

『瞬間英作文』シリーズはどこまでやればいいのか

瞬間英作文それぞれのカバー写真
瞬間英作文ビジネスのカバー写真
瞬間英作文シリーズ|森沢 洋介(それぞれの出版社画像から引用)

森沢洋介さんの『瞬間英作文』シリーズは現在7冊+ビジネス版2冊の合計9冊が発行されています。

マジでどれからやればいいねん、、

私も当初は、「どれがどれでなんやねん」状態だったのですが、現在は、

青、緑、まででOK!受講生からの希望があればビジネス版を入れる。

・練習が足りない方や飽きてきた方には、「おかわり」を入れる。

というスタイルに落ち着きました。

青:『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』
→本記事で紹介している書籍

緑:『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』
→青は文法項目別に整理されていたが、各文法項目の例文がシャッフルされている。

おかわり:青と緑それぞれに存在します。
→内容や難易度はほぼ同じまま、新しいセンテンスで練習ができます。
青、緑をやった後にさらに挑戦してみたい方は手にとってみましょう。

※アプリ版の場合、安い価格でおかわりの追加購入が可能。

Eたろう

ある程度のレベルが備わっている方は、青を飛ばして緑からやっていただくこともよくあるパターンです。

ビジネス版の瞬間英作文はやるべきなのか

2022年にビジネス版の瞬間英作文(文法別)も発行されました。
翌年にはビジネス版のシャッフルも発行されています。

瞬間英作文と合わせて、ビジネスで使える語彙が同時に学べる仕様になっています。

ビジネス版の瞬間英作文について
  • 森沢洋介の話せる瞬間英作文 ビジネス:文法別

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(青)の例文がビジネス仕様に変わったもの

  • 森沢洋介の話せる瞬間英作文 ビジネス:シャッフル

『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』(緑)の例文がビジネス仕様に変わったもの

Eたろう

せっかくならビジネスの例文を使って瞬間英作文の学習をしたい という方にはオススメしています。

とはいえ、瞬間英作文の狙いは「語彙強化」ではなく、英文法を使いこなせるようになることにあります。
だからこそ、通常盤の瞬間英作文はあえて簡単な語彙を使って構成されているのでした。

その意味では、ビジネス英語を学ぶ方であっても、あえてビジネス版を使う必要はないかな・・・というのが私の思いです。

Eたろう

ビジネス版にはアプリ版がないので、そこも注意です。

瞬間英作文:青、緑(ビジネス)以外をやらなくて良い理由

さて、瞬間英作文シリーズには青・緑・ビジネス版以外にも赤、金、銀と、ポケモンのように種類があります。

瞬間英作文におけるその他のシリーズ

赤:『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』

金:『バンバン話すための瞬間英作文「基本動詞」トレーニング』

銀:『英語構文を使いこなす瞬間英作文トレーニング マスタークラス』(高校英文法レベル)

それにも関わらず、なぜ「青・緑(ビジネス)だけでOK」なのか?

それは、赤・金・銀それぞれのテーマにおいて、この教材よりも良い教材が存在するからです。

例えば赤のテーマである「パターン・プラクティス」は、文法をより深く理解するために非常に重要な練習方法です。

パターン・プラクティスを練習したいのであれば、『英語のハノン』の方が良いでしょう。
英語のハノンであれば、進めていくことで高校英文法もカバーできるので、銀の領域も学習することができます。

もちろん、瞬間英作文シリーズのやり方が好きな方は赤以降に進んでいただいてもOKです。
書店で実際に手にとって確認されるのが良いですね。

Eたろう

赤以降にはアプリ版がありません。
それも一つネックとなっています。

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』こんな方にオススメ

オススメする人

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』をオススメする学習者は、ずばり中学英語レベルの基本文型を頭では理解しているが、会話において瞬間的に使いこなせない人です。

学生時代、文法学習はきちんとやってきて、きちんと知識があるのに、スピーキングになると全然ダメなんだ・・・

という方が、スピーキング対策の1冊目に手に取る教材としてピッタリです。

そもそも中学文法の理解が甘い場合は、文法学習を行なってから、もしくは文法学習と並行して本書を進めていきましょう。

例えば、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版』を使って、「現在進行形」を学習したあとに、本書の「現在進行形」でトレーニングをしてみる、といった流れを組むと、「インプット→アウトプット」のサイクルを効果的に回すことができます。

まとめ『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』

今回は、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』について紹介しました。

  • 瞬間英作文とは中学で習う程度の文型で簡単な英文をスピーディーに、大量に声に出して作る というトレーニング。
  • 簡単な語彙の例文を使って、文法知識を実践で使えるレベルまで引き上げることが狙い。
  • 書籍版にもメリットはあるが、アプリ版を購入するのがオススメ。
  • たくさんのシリーズがあるが、基本的には「青、緑(ビジネス版)」だけをやればOK。
  • 中学文法は正しく理解したうえで取り組むのがオススメ。

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は、スピーキング学習を開始する第一歩にうってつけの教材です。

根気よく続ける必要がありますが、噛めば噛むほど味が出る教材ですので、毎日の習慣に取り入れていきましょう!

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